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2017-11

時計が刻む地震の記憶~バニャルーカ大震災から40年~ - 2009.10.27 Tue

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ボスニア・スルプスカ共和国最大の都市であるバニャ・ルーカの中心、クライナ広場には何時訪れても同じ時を指している時計があります。
時計を見上げる度に、「ああ、また止まったままだよ。人が沢山集まる場所なんだからいい加減修理すればいいのに」と半ば呆れていたのですが、数年前に仕事で現地ガイドの方と街を散策していた際にこの疑問をぶつけたところ、思わぬ答えが返ってきました。

「ああ、これはね、故障して止まっているわけじゃなくて、地震の記憶なんだよ」

そう、バニャ・ルーカは1969年に大地震に見舞われ、甚大な被害をこうむっているのです。
欧州といえば地震が少ない土地というイメージではないかと思いますし、実際に日本と比べたら地震を経験する機会も稀ですが、旧ユーゴではバニャ・ルーカの他にもマケドニア・スコピエ(1963年/震災後の都市計画に丹下健三氏が携わった事で知られる)、1979年のモンテネグロ・コトル(1979年/後にユネスコ世界遺産に登録)でも大地震が発生しています。

サイト「Banjaluka live」に紹介されていた記事によると、地震は2日間に渡ってバニャルーカの街を襲い、10月26日午後4時36分に強い揺れが観測されてから夜通し続いた地震ですが、翌10月27日9時11分には震度8.5(メルカリ震度)、マグニチュード6.6を観測する揺れが襲い、市内に甚大な人的及び建物被害をもたらしました。
(今日近所の人の話を聞いたところによると、バニャ・ルーカから約80km離れたこの街でもかなりの揺れを感じたそうです)

そして、この運命の時間から、クライナ広場の時計は時を刻むことなく今に至ります。

尚、当時の被害は全体で死者15名、重傷者1117名、86000棟の住居が全壊、その他にも多数の学校や公共施設も損害をうけました。
この地震から丸40年になる今年、バニャルーカ市では国内外の専門家を招き国際地震工学会議が開催されています。(Međunarodna konferencija o zemljotresnom inžinjerstvu  開催期間 10月26-28日)

地震当時に比べ人口も約3倍に増え、内戦後はスルプスカ共和国側の中心都市、並びにボスニア国内でも主要都市の1つに数えられる程の発展を遂げたバニャ・ルーカ。
例の時計も本来の時を知らせる役割は果たせなくとも、この街の悲劇、そして復興の目撃者として広場の片隅に存在し続ける事でしょう。



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Mic'o(みーちょ)

Author:Mic'o(みーちょ)
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1999年からボスニア・ヘルツェゴビナ北部の小都市・デルベンタに在住。現在は主婦時々お仕事の生活。
これまでに関わったお仕事は、各種通訳及び翻訳(セルビア語、クロアチア語、ボスニア語)、取材コーディネーター、ボスニア関連コラム(サッカー、生活事情)執筆、ラジオ出演など。
詳しい経歴はこちら⇒http://www.geocities.jp/prirodnaljepotabih/profile.htmhttp://www.geocities.jp/prirodnaljepotabih/profile.htm)


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ボスニア北部の伝統刺繍作品

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2017年ボスニアの主な移動祝日

年によって日付が変動する各宗教の移動祝日。2017年は以下の通りです。

4月16日 イースター
(ローマカトリック、セルビア正教)

6月26日 ラマザン・バイラム初日
(イスラム教)

9月2日 クルバン・バイラム初日
(イスラム教)

旧ユーゴの為替レート(対日本円)

Bloomberg.co.jpの為替レートを基にしています。

(2017年9月9日現在)※実際の両替レートとは若干差があります

<ボスニア>1コンヴェルティビルナ・マルカ= 66.32 円

<クロアチア>1ク-ナ= 17.45円

<セルビア>1ディナール= 1.08 円

<マケドニア>1ディナール=2.1 円

<スロベニア、コソボ及びモンテネグロ※>1ユーロ = 129.79円

※モンテネグロ及びコソボは欧州連合に加盟していないものの、通貨としてユーロを導入中

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